第10回 千田さんは、政治家になる可能性はありますか?
中井ゆり(以下、中井):さて答えはすでにわかっているのですが、どうしても千田さん本人から私が直接聞いてみたい質問を今回はさせてください。
千田さんは、政治家になる可能性はありますか?
千田琢哉(以下、千田):俺の中で政治家というのは「なりたい職業ベスト100」には入っていないんだよね。
中井:つまり、可能性はほぼゼロだということでしょうか?
千田:可能性はゼロだし、そもそも無関心だから政治の話題も続かないよ(笑)
俺が政治家って凄いなと思うのは、やっぱり好きじゃないとできない仕事だと思うんだよ。
唯一、その点では俺の仕事に対する想いと一緒なんだけどさ。
中井:どういうところが好きじゃないとできないと思われるんですか?
千田:たとえば人前でスピーチをしたり、あちこちあいさつ回りしたりするという、ああいった細々した仕事は好きじゃないと絶対にできない。
農家や商店街のドサ回りとかもあるでしょ?
中井:確かに。千田さんなら面倒臭がって絶対にやりたがらないですよね(笑)
千田:きっと政治家というのは国民に選ばれた代表としての誇りを感じ、“センセイ”と呼ばれることに優越感を持てる変わり者じゃないと務まらない。気さくな努力家(笑)
そうじゃないといくら給料をもらっても割に合わないくらい大変な仕事だと思うよ。
あとごく稀に本当にエリートで頭のいい人もいるけど、大半はポテンシャル的には凡人かそれ未満の経歴の持ち主だよね。
政治って本当は凄く大切な仕事のはずなのに、落ちこぼれのための落ちこぼれによるイベントになっている。
これまでパッとしない人生を歩んでいた人が、人生で一度くらい一花咲かせたいと思う職業の代表が政治家なんだよね。
中井:確かに誰でも政治家を目指せますからね。
私もたまにテレビで「この人は普通のサラリーマンもろくに務まらないだろうな」って思う人を見かけます。
千田:本当は政治家にこそ資格や試験が必要なんだけど、それもないからね。たとえば裁判官や官僚よりIQの低い人が本当は政治なんてできやしない。
熱意も結構だけど、熱意がありきではないはず。やっぱりまず何よりも卓越した能力が必須であり、それを満たした上での熱意でしょ。熱意だけはあるけど免許も能力もない自称医者に手術されたくないでしょ?
こういう医者の例だとわかりやすいのに、見方によってはそれ以上に大切な政治については熱意が先行しちゃうんだよね。
本当は熱意もなくてもいいくらいで、始めに能力ありきなんだ。
中井:そう考えると、熱意だけの政治家がとても多いです。
どうして優秀な人って政治家になりたがらないのでしょうね。
千田:それはきっと現役の政治家の経歴や顔ぶれを見て、「うわっ、偏差値低そう」と思ったエリートたちが嫌悪感を抱くからじゃないかな(笑)
政治家というのは、一種のブラック業界だから。不倫がどーのとかカラ出張がどーのとか誰も政治なんてまともにやっていなくて、探偵事務所を使って欠点探し合戦をしているだけ。国民の税金を使ってね。
それに本当に世の中を変えようと思ったら、もう政治家なんてやる必要はまったくない。むしろ政治家になっても世の中を変えるには遠回りになる。9割の政治家はメェメェ群がって騒いでるか、単に呼吸しているだけ。
中井:それはその通りかもしれません。
千田さんのように文筆家として影響力を持つほうが世の中を変えられることもあるし、起業家として世界を変える方法もありますよね。
千田:ビル・ゲイツもマイケル・ジャクソンもJ・K・ローリングも、日本の国会議員や総理大臣はおろか米国大統領を遥かに凌ぐ、それこそ地球を揺さぶるほどの影響力があったよね。
大統領がバフェットに頭を下げて世界経済・金融政策について助言を求めるなんて当たり前の話だし、世界レベルの文豪がちょっと過激な発言をしようものならそれこそ核実験並の取り上げられ方をすることも珍しくない。
そこまでいかなくても、冗談抜きでYouTubeやTwitterなんかでダントツの影響を持つほうがダイレクトに世の中を揺さぶるきっかけを作るものだよ。
中井:私も少し前まではYouTubeやTwitterなんてバカにしていましたが、今はテレビで貴重な資料やニュースとして取り上げられるほど力を持ってきましたね。
警察の捜査力よりもYouTubeやTwitterのほうがスピードも速くて信憑性があるくらいですし。
千田:結論としては、政治家というのは落ちこぼれたちにとっての敗者復活戦の場としてならそれなりに役立ってはいるということ。
ただし、本来の政治というのは相当に優秀じゃないとできないということ。
中井:とってもわかりやすいですし、反論の余地がありません。
あ、そうそう、女性議員について千田さんはどう思われますか?
千田:大賛成。極論すると国会議員はすべて女性でもいいくらい。なぜなら女性は男性と違って、有言実行する人の比率が高いから。
男性はスピーカーとしては立派だけど、行動力がからきし伴わないことが多い。
国会議員というのは高級クラブのママのような人が向いているんだよ。細かい気遣いがちゃんとできて、すべてにおいて言行一致できる人。
まあ理想の経歴としては旧司法試験在学中合格者かそれに匹敵する女性弁護士や東大法学部から大学院をスキップして助手になった政治学博士や法学博士、海外ベスト10レベルのロースクールを最優秀で卒業した人材なんかがいい。その上でそれぞれの道でもう飽きちゃってて「これからは世のため人のために生きよう」と心から思える人。そうした逸材中の逸材は100万人に1人くらいの比率でいるから、その100人とその周辺を中心に国会議員をやってくれればいい。ごく稀に一流どころの作家や芸術家が混ざっていても多様性があっていいね。男と一緒で熱意だけのバカはダメね。そこまで政治をなめてはいけない。
一方で総理大臣はじめ各大臣は男性のほうが確率的に適正があると思う。国や大きな組織を率いるためには、細かい行動力よりもスピーカーとして外交で都合が悪くなったら煙に巻く能力と長期的視野に基づく決断力を要求されるからね。
こちらの経歴としては大企業経営者を中心に、各組織や業界でトップに上り詰めた然るべき成功者がいい。一つの目安としては総理を除く閣僚で年商1兆円、従業員1万人、内閣総理大臣ならせめて年商10兆円以上、従業員10万人以上のコングロマリットを率いたことのある経験が必要条件。十分条件はやっぱり圧倒的な人格だろうね。たとえばNo argument can justify a war.という信念を貫くような人。
今の国会議員や閣僚の顔ぶれを見ていたらとても想像つかないだろうけど、少なくとも凡人に「就活は全敗したけど政治家くらいなら自分にもできそうだ」とか「総理大臣になりたい!」と安易に思わせてはいけない。
中井:国会議員はすべて女性でいいというのはかなり驚きましたが、千田さんの話を聞いていると確かにそのほうがいい政治ができそうですね。
大臣には男性のほうが向いているというのも、なるほどその通りかもしれません。
その通りにすれば、国が根底から本当に変わりそうです。
千田:すでに俺はこれまでに各業界で活躍しているプロたちからファンメールやファンレターを多数もらったけど、そう言えば現役の政治家からはもらった記憶がないな。
俺は自分の読者の中から将来政治家や大臣が生まれるのなら心からうれしいよ。
もちろん落ちこぼれのナンチャッテ政治家じゃなくて、本物の優秀な政治家のほうね。政治の世界に限らず、様々な分野で活躍する本物のプロを読者の中から輩出し続けたい。
そうなれば、まさに著者冥利に尽きるよ。
ところで、そもそも最初にこんな質問を俺にふってきた中井さんは国会議員にはならないの?中井さん、女性だしピッタリだよ。
そう言えば、国会議員の中に中井さんと瓜二つの容姿の人もいるし(笑)
中井:え、ええ…まあ、あの、…その、私は真夜中の雑談を通して世の中を変えていきます。
千田さんにしがみついていくと決めています!
今回もありがとうございましたー
国会議員は女性がいい。
大臣は男性がいい。
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◆千田琢哉(せんだ・たくや) プロフィール
文筆家。
愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。
東北大学教育学部教育学科卒。
日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。
コンサルティング会社では多くの業種業界におけるプロジェクトリーダーとして
戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。
のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話に
よって得た事実とそこで培った知恵を活かし、“タブーへの挑戦で、次代を創る”を
自らのミッションとして執筆活動を行っている。
現在までの著書累計は270万部を超える(2017年9月現在)。
◆中井ゆり(なかい・ゆり) プロフィール
「真夜中の雑談」運営部 インタビュアー。
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