【第14回】どうしてお金持ちになっても低学歴だと世間は認めてくれないのですか?


緑川夕子(以下、緑川):千田さん、こんにちは。今日もよろしくお願いします。 


千田琢哉(以下、千田):よろしく。楽しみにしていたよ。 


緑川:ありがとうございます! 今回は特別にうちの中井が「真夜中の雑談」で取り上げる予定だった質問を、公開しようと思います。 

実はこれまでに同じような質問が複数届いておりまして、そのほとんどが男性からです。 

「低学歴というコンプレックスをバネにして、千田本を読んでお金持ちになることができました。しかし当初想像していたのとは違い、確かにお金持ちになるにはなったけど思っていたように尊敬されないし、認められないからどこか心が満たされていません。これはどうしてですか?」ということに集約されます。 


千田:おっと、学歴とお金がテーマか。

ぶっちゃけ、俺もいい加減このテーマ、飽きてきたんだけど(笑)

今回も本音コース希望?そうするとまたプライドの高い落ちこぼれが興奮するぞ。知的体力不足の落ちこぼれには最後まで読破できなくなるくらいに質量ともにハードに仕上げようか。


緑川:ぜひお願いします。 

やはりみなさん学歴とお金には興味津々ですが、これらの話題は一種のタブーになっていて誰も真実を語ってくれないですからね。 今の時代、千田さん以外にストレートにありのままの真実をわかりやすく教えてくれる人なんて地球上でいませんから。みんな何重にもオブラートに包み込んで逃げ回ります。

ぜひ今回、千田節できっちりと決着をつけてもらいたいと。


 千田:結論を言っちゃうと、お金儲けというのはとても簡単なんだよね。

偏差値で言えば35とか40くらいのレベル(笑) 

“簡単”とだけ言うとさすがに語弊があるかもしれないけど、少なくとも一流大学に正々堂々と筆記で正面から一般入学したり、一流企業に正統派幹部候補の“総合職”として就職したりする難易度に比べたら、明らかにお金儲けは競技参加者の平均偏差値が低い。

学歴・地位・財力すべてを獲得した水準以上の人々のありのままの声を集約した難易度を順に並べるとこうなる。


       「(AOや推薦や附属上がりではなく)一流大学に“筆記試験で”合格・入学」

                        

     「一流企業に(一般職や地域総合職やSEではなく純粋な)“総合職として”内定・入社」

                        ↓

                    「単なるお金持ち」


これらの順番はそれらを成し遂げた場合の価値の序列でもある。 オブラートに包んで表現すると人類の序列。

誰も口にしない世の中の本音を一発で理解できるように具体例を挙げると、

「東大卒・東京海上日動総合職で年収1000万>>Fラン卒でギラついた保険のセールスで年収1億」

「名古屋大学卒・トヨタ自動車本社勤務で年収700万>>中古車販売会社の元ヤン高卒社長で年収2億」

「慶應卒・三菱地所総合職で年収1200万>>田舎の不動産販売会社の金のネックレスした中卒社長で年収3億」

これで100人中100人が理解できたかな(笑)

エリートたちが全員知っている真実があって我が子以外には誰も教えないけど、一流大学に入学するためには遺伝的に高い知能が求められるんだよ。 

誰もが100メートル走で10秒を切れるわけではないのと同じで、誰もが一流大学に筆記試験で通るわけではない。厳密には人の足の速さや筋力は頂点と平均とではせいぜい数倍程度しか違わないけど知恵の差は無限大だからね。「アイツは自分より頭が良い」「国立と私立では入試科目数が倍違う」「偏差値が10ポイント負けた」というのは桁違いの差があると考えていい。

最低限の生来の知能がなければ、どんなに猛勉強しても一流大学に正面から筆記試験で合格できないんだ。 

頭の悪いお金持ちの子どもに全科目家庭教師をつけようが、特別な教材を与えようが「例の方法」を除いては一流大学は門戸を開かない。ブランドのバックや服と違ってお金で買えないからこそ価値がある。そもそもお金を払えば手に入るモノなんて極めて価値が低いからね。

だから旧帝大(北海道大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学)の入学試験では、一部の例外を除けばたとえ文科系でも2次の記述試験で数学が必須になっていて、実質それが合否を左右する。

どれだけ大金を積んでもデパートやネットショップでこうした能力は絶対に買えない。だから価値がある。

緑川:それ、とってもよくわかります!

あの憎き数学さえなければ私も難関国立大学へ行けたのに…というのが本音ですよ。よく「受験数学なんて努力すればできる」と主張する人がいますけど、努力してできるのは才能がある証拠ですよ。一般人は努力してもできないとわかっているから努力すらできないんです。でも高校の先生もその点は暗にほのめかしてくれていましたよ。もしどれだけ勉強しても数学ができないなら、バカでもできる文系3科目に絞って暗記しまくるのも弱者のサバイバル戦略だぞっ、て。英語だけだったらどんなに頭の悪い人でも偏差値70超えなんて簡単なんですけどね。そこに数学やら理科が入ってきた途端にややこしくなる(笑)

もし大学を二つに分けるとすれば、受験で数学から逃げたグループと逃げずに立ち向かったグループに分けられるのかもしれませんね。確か千田さんの本でも、某経済学者が数学受験をした受験生と逃げた受験生では生涯の所得にもかなり差が出るというデータが紹介されていましたし。


千田:旧帝大と同等以上の格式である一橋大学が文系でも数学必須なのは言わずもがな。初代文部大臣・森有礼が「欧米の列強に支配されないようこれらの大学を一流にするぞ」と決断し、礎を築いた。当時それが成功した。

今でこそ有名になった私塾スタートの福澤諭吉とは何もかもスケールが桁違いだったんだ。文字通り出自は単なる“塾”だったし、人気がなくて倒産の危機にも陥っている。戦前の私立は旧制大学から弾かれた人材が渋々通う専門学校扱いだった。これは早稲田もね。出自というのはDNAだから永遠に消えないよ。

1970年代半ばになってようやく私立大学は社会的な地位を認められ始めたんだよ。高度経済成長という背景に加えて、私大出でそれまで虐げられてきた政治家たちが成り上がった際、自分たちの母校を旧帝國大学に並べようと、授業料の格差を縮めたり少しでも格式が高く見えるように色々やったんだよ。

そういう負けん気というか、雑草魂は今の私大出のマスコミ関係者や政治家にも根強く残っているかな(笑)三流出版社が自分たちの母校を東大より上に並べられる都合のいいデータをでっち上げて悦に入る雑誌をばら撒いたり、知事になったら自分の母校をその都道府県でトップの進学校にするためによくわからない改革をしてみたり…


緑川:偉くなったお年寄りの“あるある”ですね~。

見ていてこちらが恥ずかしくなるくらい、お年寄りになるとなぜか自分が果たせなかったコンプレックスを嘘をついてでも果たしたふりをしてから死にたいんでしょうか?

でもその理由を根源まで辿って行くと受験数学から逃げたかどうかの一点に行き着く気がしますね。


千田:数学と言っても別に筑駒とか灘とか理Ⅲとか数学オリンピックとか、コンマ何パーセントの人間にしか関係ない四回転半ジャンプみたいな特殊芸ではなくて、せいぜい日本国民の上位2%とか3%程度に入っているかどうかの選別に過ぎないけどね。二回転でいいから、丁寧にちゃんと確実にできるかどうかっていう。

特に文系数学なんていうのは範囲も狭くて最低限の基本を軽くチェックするだけ。それでも生まれつき水準以上の論理的思考力を授かっている人には拍子抜けするほど易しく感じるだろうけど、授からなかった人にはチンプンカンプンで瞬殺できる。授からなかった人々が戦意喪失して敵前逃亡させる役割も果たしている。私立と違って記念受験もほとんどいないから少数精鋭で倍率も低くて大学側の採点も楽チン。

「キミはこっち側の人間?それともあっち側の人間?」を一瞬で判別しているわけ。

授からなかった約98%の人々への敗者復活の場として数学から逃れることができる、国はほぼ面倒見ないという条件で私立の早慶(文系)もあるんだけど、こっちだってそんなに甘くはない。

早慶の中位学部以上の入試英語はTOEICなんかよりも遥かに難易度が高く、表面上は英語のテストのふりをして、実際には知能検査の役割を果たしているんだよ。

TOEICが純粋な英語力をチェックしているのに対して、難関大学の受験英語は生まれてから今日までに習得した語彙力・文法力の帰納力と演繹力、そして日本語の構成力をシビアにチェックしているんだ。


緑川:確かにそれは大学受験とTOEICの両方の経験者としてよくわかります(笑)TOEICはとにかく英語に触れてさえいれば、いずれ誰でも必ず高得点になれる気がしますが、早慶の英語は求められる知的水準がまるで違います。意識して勉強していなければ永遠に到達できませんよね。


千田:日本に名ばかり私立大学は掃いて捨てるほどあるけど、早慶はそれ以外の私立とは一線を画すね。キミたち算数は先天的に無理だったかもしれないけど、曲がりなりにもエリートを名乗るなら世界中では誰でもできるようになっている英語くらいはやってくれってこと。

まあ最近はさすがに早慶(文系)もせめて数学ⅠAくらいは必須にしようとか、数学受験の募集人数を増やしたりして“偽装偏差値”からの脱皮を図って真の学力、論理的思考力を求める動きも出てきたけれども。


緑川:確か早稲田の政経学部でしたっけ?数学必須にしたら確実に偏差値下がりますよね(笑)先天的に算数が無理な人は今のうちに合格しておかないと一生入れなくなっちゃう。怖い、怖い。


千田:だから俺は思うんだけど、「自分は生まれつき地頭が悪いな」って薄々気づいている人は、たとえSFCでもいいから慶應に滑り込むことで人生は確実に好転するよ。早稲田だとさすがに所沢キャンパスではアレだけど、商学部・文学部・教育学部の入りやすい学科までのギリギリラインに自分をねじ込んでおくことで人生のステージ、日々の景色、隣にいる顔ぶれ、話題が変わってくる。

地方で学区三番以下とか偏差値50台の高校からだとその地元の旧帝大合格者を輩出するのは極めてレアケースになるけど、早慶なら必ず一定数いることからも遺伝子に関係なく誰にでもチャンスがあることが証明されている。公立高校入試偏差値65だった人が高校入学後も地道に努力をして何とかその学力を維持できたと仮定すれば、大学受験で「国立型」だと文系で-10、理系で-15くらいの大学、つまり偏差値50~55の大学に入れるかどうか。このレベルだと地元の駅弁教員養成学部がメイン進学先だろうね。これが「私立型」だと入試科目数が少なくて母集団のレベルが幅広いからほぼ公立高校入試の偏差値レベル、つまり65くらいのまあまあの私立大学に入れるよ。65あればMARCH関関同立程度なら上位合格できるし、早慶を片っ端から受験しまくればラッキーでどこかには引っかかる可能性だってあるでしょ。自分の得意科目をせいぜい2つか3つ受験すればいいだけだし。あ、1つか2つのところもあるか(笑)いくら地頭悪くてもこのくらいは決めなきゃ。

ハッキリ言って目的もないのに大学に行く価値があるのはこのラインまで。今の時代、MARCH関関同立に入ってもそれ自体がブランドになることはない。それらの大学を出たところで、大半はベンチャー企業という名の単なる零細企業に就職するか、仮に大企業に就職できたとしても一般職、つまりノンキャリコースしか歩めない。あるいはナンチャッテ上場企業で知る人ぞ知るブラック企業だったり。ひと昔前だったらこの層は工業高校や商業高校に通っていたただの高卒や短大卒だから。

こういう真実というのは普通はわざわざ口にしてまで教えてもらえない。真実というのはいつの時代も顰蹙を買うものだからね。その学校関係者や予備校・塾にとってはMARCH関関同立やそれ未満こそが金払いのいい、ウジャウジャいるお客様だもの。

遺伝的に優れた女性には声を大にして言いたいんだけど、女性こそぜひ早慶に入ってもらいたい。それもできれば看板学部とか理系に。北海道なら北大、九州なら九大など地元の旧帝大に入れるほどの才媛なら文句なしだけど。そして単に男だというだけで総合職、つまりキャリア組に行く連中をすべて引き摺り下ろすべき。

いろいろ批判もあるけれど、学歴っていうのはそういう意味で現在世界で人類唯一の公平に近い武器だと思うよ。Fラン男は例外なくノンキャリ組でいい。最初から一般職で就職できるように企業も環境を整えるべき。

緑川:フムフム… 

確か千田さんは大学で世界の教育制度とか教育内容を研究する教育行政学を専攻されていたんですよね?

今お聴きしたお話を私の周囲の一次情報と照合すると完璧に一致します。

こういうありのままの真実を知るとつい興奮しちゃう人が登場すること自体が、まさに学歴の重要性を認めている証拠ですよね。

そうでなければいちいち興奮なんてしないでそのままスルーすればいいわけですし。

就職についてはどうですか? 


千田就職については一流企業の場合はコネ枠も幅を利かせているし、面接官は医師のように国家資格がある専門家でもないごく普通の気分屋のサラリーマンだから、一流大学に筆記試験で正面から入学するよりはいい加減だし、純粋に本人の実力とは言い難いね。

これは今だから言える1次情報だけど、面接官が浪人しても自分が入れなかった大学にすました顔で通っている相手を嫉妬せずに見られる人はそんなにいないよ。面接中にその相手が少しでも何かへまをやらかすと、鬼の首を取ったように「ほら、やっぱり勉強だけの人間はダメだ」と落としてみたり...

あとこれは特にマンモス校である私大出身者に言えることだけど、母校の出身者で固めたがるのはごく当たり前の話で、そもそも話題にすらならない。まあそういう連中はわざと難関国立大学生を落としておいて、ここでも「やっぱり勉強だけの人間はダメだ」と心臓の鼓動を整えていたな(笑)

だからその程度でしかない就活で結果を出せなくても、本当はそんなに深刻に落ち込む必要はないんだよ。

学歴を獲得できなかった事実とはその重みがまるで違うから。

それに一流企業に落ちる一流大生もいれば、受かる三流大生もいる。 

この場合は必ずしも前者が後者に負けたわけではなく、前者は松竹梅の「松枠」に落ちて、後者は「梅枠」として拾ってもらったという可能性が高い。

「梅枠」とは三流大卒に束の間の喜びを餌にした将来の子会社、孫会社の従業員予備軍ね。最初から子会社、孫会社に入りたいという人は少ないから。


緑川:私の身内でもいます。三流大から超一流企業に入社して抜群の成績を出していたのに30代になったら当たり前のように曾孫会社に移籍されてしまった人が。それに対して一流大学からの入社組はちゃんと規定通りに出世をして偉くなっていくとか。最初からコースが決まっているというか、採用の段階ですでに住んでいる世界が違うみたいですね。まあ、でも正直わからなくもないですが。いい大学出た人に重役になってもらわないと会社のブランドや株価にも影響しそうだし(笑)

いくら仕事ができても三流大学出身の社長だと会社そのものがおバカ集団に見えてしまうという偏見はあるかも。


千田:俺が就活中も某大手生命保険会社のリクルーターが「今年は東北大から6人入れなきゃいけないノルマがある」って頑張ってたもん。その人は仙台出身の慶應卒で出張兼帰省中だったんだけどさ(笑)東北大の連中は院進学や公務員試験対策で忙しくてみんな受けてくれないし、途中で辞退されてばかりで大変だって。

都内では東大と一橋、同時並行で桜前線みたいに九大から北大まで各々の裏ノルマが達成したあとで、ようやくその会社は早慶MARCHにドカン!と声をかけられるとホテルでランチしながら教えてくれた。内定ゲットまでの実質倍率は旧帝大と一橋、神戸はせいぜい2倍から3倍、早慶は50倍以上、MARCHは数百倍だって。

ちなみに帰りに書店に寄ってその会社を役員四季報で調べたんだけどさ、何と重役の8割が慶應法学部卒(笑)これはあとから聞いて知ったんだけど、その頃重役の世代の慶應法学部というのは数学必須だったこともあって、学習院よりも見かけの偏差値は低かったお荷物学部だったんだってね。まあ文系で数学が必須になるともうそれだけで母集団のレベルがアップして、偏差値が3~5ポイントは下がるけどさ。他人事ながら「ひょっとしてウケ狙ってるのかな?こんな漫画みたいな会社は絶対に潰れるぞ」と思っていたら、数年後本当に倒産しちゃった。俺が入社した会社に向かう途中にその生命保険会社のデカいビルがあったんだけど、倒産発表の当日に看板に白い幕がかかっていたのを今でも鮮明に憶えているよ。今考えればあの会社に入社しておけば倒産劇を1次情報で見れていい本が書けたのにと思うとちょっと悔しい。

そう言えば、その会社、最終面接まで出逢った社員が全員慶應卒だった記憶がある。俺、最終面接で重役から「最後に何か聞きたいことあるか?」と言われて、「慶應じゃなくても社長になれますか?」って聞いたからね。一瞬、両隣に座っていた人事部の管理職たちが頭を抱え込んで泣きそうになって、場が凍りついた。数秒後に重役は顔を引きつらせながら「仕事さえできればウチはそんなの関係ないよ」って言ってたけど(笑)向こうも大人な部分を見せるために意地になって内定くれたんだろうね。あの人、まだ生きてるのかな。まさかあれが原因で潰れたわけじゃないと思うけど、人事部の管理職の人たちの寿命は縮めちゃったかも。今は反省しているよ。


緑川:その頃から~タブーへの挑戦で、次代を創る~を実践されていたんですね。素敵です。


千田まあだから就活なんてものは、一流大学に筆記試験で正々堂々と合格して入学するのに比べればかなりいい加減なものだよ。その証拠に受験参考書と就活対策本の平均的なクオリティは前者の圧勝。文字通り雲泥の差。

私立文系の憧れの的であるテレビ局を中心としたマスコミなんてたとえ総合職でもMARCH日東駒専レベルがゴロゴロいるから。会社説明会参加数で忠誠心を示す“スタンプラリー”で内定をもらえちゃうメガバンなんて東大卒よりFラン卒の社員のほうが数は多いはず。ちゃんと調べてごらん。寄らば大樹の陰で一人の例外もなく凡人の集まりだから。こいつらと同じ空間で呼吸し続けるのは割に合わないと悟った東大卒は意外にあっさりこういう会社を辞めるけど、Fランラッキー入社組はなかなか辞めないで最後の最後までしがみつく。学歴がダサい分、会社名がアイデンティティであり、命だからね。合コンでも大学名は伏せて会社名で虚勢を張れる。ちなみに「早慶→メガバン」は95%の大衆に猫騙しの利く最高のコスパだけどね。楽々内定もらえる割にウケがいいから慶應らしい(笑)

 それでもまあ「松枠」のような将来の幹部候補である総合職となれば、スペックもそれなりにチェックされるということだね。 

そう考えると一流大学の学歴を獲得した価値には程遠いとしても、それなりの信憑性はあると考えていい。 


緑川:凄い分析力ですね。 

もはや反論の余地がございません。 

まさしくその通りだと私も思います。 


千田:そう考えると、お金持ちってどう? 

もちろんエリートでカッコいい人もいるけど、比率的には冴えない人も多いでしょ? 


緑川:この際ハッキリ言っちゃうと、お金持ちには冴えない人のほうが圧倒的に多いです。 

私の周囲で一流大学に筆記試験で正面から入学した人たちや一流企業に総合職として採用された人たちに比べると、低学歴なお金持ちにはそういったオーラが感じられません。

 オーラがない分ブランド品を買い漁り、自分をギラギラさせて虚勢を張っています。特に低学歴のお金持ちにはギラギラした人たちが多く、率直に申し上げると尊敬もできませんし、憧れることもありません。 この人は大勢の自分より弱い人たちを踏み台にしてずる賢くお金持ちにはなったけれども、いったいこの人のせいで何人が不幸になったのだろうとか見えちゃうこともありますね。

誤解を恐れずに言えば、「この程度の人でもお金持ちにはなれるのか」とちょっと下に感じます。

 千田:緑川さん、今とってもいい仕事をしているよ。プロっぽくなってきた。

 そういうことなんだよね。

 インターネットも発達してお金儲けはより簡単になったから、ますます毛並の悪いお金持ちが目立ち始めた。 

もう随分前から叫ばれているけど、お金そのものの価値が落ちているんだよ。 

物価や為替がどうだというレベルの問題ではなくて、お金それ自体の価値が薄れている。

 特に買いたいものがないからどんどんお金が貯まっていくんだけど、お金は使わなければ単なる紙や金属片と変わらない。 

あるいは銀行の通帳なんて単に印刷された数字に過ぎない。 

銀行にお金を預けた瞬間、それは預金者のお金ではなく銀行のお金であり、すぐにどこかの誰かに貸されてしまうわけだ。


緑川:それって、よく考えたらとても怖い話ですよね。 

学歴に比べるとお金儲けってちょっといい加減というか、怪しいものだと感じますね。 


千田:まあ、お金儲け自体は決して批判すべきことではないけどね。 

お金があればより快感を獲得できるし、人生を幸せにできる可能性が飛躍的に高まるのは間違いない。 

ただ今回の質問に対する回答としては、同じお金持ちであってもそこには明確な序列があり、年収1億の人が年収3千万の人よりも必ずしも偉いわけではないということ。 

低学歴がマルチ商法や保険のセールスでどれだけ稼いでも、高学歴で成功している人に敵わないのはもちろんのこと、一流企業で働くエリートよりも格下と判断する人は多い。 

これは俺の思い込みなんかではなく、これまで出逢ってきた人たちの価値観の集大成であり世間のありのままの本音なんだよ。

実際にちゃんと打ち解けた母親たちに対して、「我が子に中小企業経営者や歩合制営業マンで年収1億稼ぐのと、勤務医や総合商社で年収1千万稼ぐのとどっちがいいですか?」と聞くと、満場一致で「そりゃ、後者に決まっているじゃないですか…親戚やママ友に自慢できるし」と即答してくれる。


 緑川:だって、私も本音を言わせてもらえばそうですから(笑) 

マルチ商法や保険のセールスで年収1億円稼ぐ人よりも、毛並のいい高学歴エリートで年収1千万円稼ぐ人のほうが断然格上だと思います。 

先ほど千田さんもおっしゃったように、年収自体は1千万円もあれば十分ですよ。 

もちろん多いに越したことはありませんが、なければないでやっていけますから。

ありのままの世の中の実態としては、毛並のいい年収1千万円は毛並の悪い年収1億円たちにペコペコさせた上におごらせていますからね(笑) 


千田:実は緑川さんだけじゃなくて、多くの女性たちはそう考えるようだね。

 特に結婚相手となると年収よりも毛並を重視する割合が高い。 

その理由はやっぱり我々が他の動物と違って人間だということに根本的理由がありそうだね。 


緑川:根本的理由ですか? 


千田「真夜中の雑談」でも繰り返し主張し続けてきたし本でも何度か書いたけど、やっぱり人間の価値は頭脳で決まるということ。 

地球上で人類が他の生物と比較して突出しているのは頭脳。これは自然が頭脳を通して人類が繁栄して幸せになるように創造したためだ。人類で頭が悪いというのは走るのが遅いとかサッカーが下手なのとは訳が違う。本音ではとっても深刻な問題だとわかっているからこそ、母親たちは子どもの教育に狂う。最初から「ありゃりゃ、私たち親に似てウチの子ダメだわ…」と悟った親は、開き直って勉強以外の何かにかけてそれを必死になって正当化し続けるしかないわけだけど、それはあくまでも敗者復活戦。

ちなみに心だって現実的には胸ではなく、頭脳だからね。頭脳で考えたり思ったりしたことが、心なんだから。


 緑川:つまり、こういうことでしょうか?

 野生の動物の世界では喧嘩の強い雄が雌を独占するように、我々人類というのは頭脳が優れた者が尊敬されるようになっていると。 


千田:そんな感じだね。 

高学歴の人がどうして嫉妬も含めて羨望の的になるかと言えば、それはその人の頭脳が優れていると思われるからだよ。テレビドラマ、映画、そして漫画なんかでもエリートを悪役にして毛並の悪い雑草をヒーロー、ヒロインに仕立て上げると大衆にウケるでしょ?それらを製作しているエリート側の本音は悪役にしゃべらせて、建前を大衆ウケする雑草のヒーロー、ヒロインに適当にしゃべらせてお金を集める、というのが昔ながらのワンパターン極まりないビジネスモデルなんだよ。 差別用語を悪役にしゃべらせておけば訴えられないし(笑)


緑川:それ、とっても面白い見方ですよね。これからドラマや映画を見る目が変わります。そう言えば、悪役って世の中の本質をえぐったような大切なセリフを吐くことが多いですが、創る側はそこにエネルギーを注いでいたということですね。これは凄い!


千田:そうだね。人の価値は頭脳で決まるという話に戻すけど、入学大学の格式が高いとか一流企業で「松枠」の幹部候補として働いているというのは優れた頭脳の証明書だと考えていい。 

だけどお金持ちというのは玉石混淆であり、大半が石ころで信用できない。 


緑川:知性の感じられない稼ぎ方をしているお金持ちには全然魅力を感じませんね。 


千田ビル・ゲイツもウォーレン・バフェットもお金持ちであると同時に、少なくとも一流の学校に「入学した」もしくは「卒業した」という頭脳について保証があるからね。

毛並の悪い雑草の成り上がりとは訳が違う。 

こういう肝心な部分を見て見ぬふりをしながら偏差値の低いお金儲けの部分だけ真似してみても、決して本音では尊敬はされないよね。 

人類の決定打である知性を感じないから。 


緑川:私も今の仕事をしていて痛感しますが、本当に人は相手の学歴を見ていますよね。 

そしてそんな素振りは絶対に他人には見せない。 

ここ最近になってようやく世間の本音というものが少しは理解できるようになりました。 


千田:じゃあ、最後に俺の本音も言っちゃおうかな。我慢できなくなっちゃった。 


緑川:ぜひお願いします! 


千田:仕事だから与えられた質問に対して嘘偽りなく知る限りの真実を伝えてきたんだけどさ、本当は別に見ず知らずの連中に尊敬なんてされなくても、自分が楽しめたら人生は勝ちだと思うんだよね。

 人に好かれようとか尊敬されようとか思っていると、生きてて疲れない? 

すでに述べたように一流大学の学歴をゲットするためには最低限の遺伝子が必要なんだから、わざわざ尊敬されるためだけに不可能なものを目指すのは寿命の無駄遣いだよ。

鳶が鷹を生むことはないし、蛙の子は完璧に蛙。ゾウリムシはゾウリムシ。

どうあがいても旧帝大には国民の上位2%しか入れないように設定されているし、そこに医学科や早慶の中位学部以上を含めてもせいぜい3%程度という定員が絶対的に決まっている。

良し悪しは別として、これが現在の教育制度の本質なんだよ。

それに比べればお金持ちなんていうのは、クラスでビリどころか学年ビリでも可能性がある。

これって、素晴らしいと思わない?

 授かった人は一流大学を出てお金持ちになれば申し分ないけど、授からなかった人は堂々と下流のお金持ちコースで人生を謳歌したほうが絶対に幸せ。 

場合によっては授かった人たちだってエリートコースに疲れたりウンザリしたら、狭く考えて深刻になるんじゃなくて、広く考えて朗らかに人生を謳歌したほうがいい。

本心から俺はそう思っているし、そのために本を書いている。


緑川:さすがは千田さん、完璧にまとめていただきまして今回もありがとうございました。 


 高学歴になるより、高収入になるほうが断然簡単。     



◆合わせて読みたい千田本


◆千田琢哉(せんだ・たくや) 著者ページ→157冊出版(2018年11月現在)

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◆千田琢哉(せんだ・たくや) プロフィール

文筆家。
愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。
東北大学教育学部教育学科卒。
日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。
コンサルティング会社では多くの業種業界におけるプロジェクトリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。
のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって得た事実とそこで培った知恵を活かし、“タブーへの挑戦で、次代を創る”を自らのミッションとして執筆活動を行っている。
現在までの著書累計は280万部を超える(2018年11月現在)。



◆緑川夕子(みどりかわ・ゆうこ)   プロフィール

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