【第16回】そもそも才能って何ですか?

緑川夕子(以下、緑川):千田さん、こんにちは。今回もどうぞよろしくお願いします!

楽しみで、楽しみで、私は待ちきれませんでした。


千田琢哉(以下、千田):こんにちは。今回もよろしく。

緑川:今回のテーマですが、「これまで千田さんの発信される本・真夜中の雑談千田琢哉レポートなどのコンテンツから、綺麗事を抜きにすれば、才能がなければ好きなことで成功して食べていくのは無理だということはよく理解できました。でもその決定打となる才能ってそもそも何ですか?30歳を前にして最後にやるだけやってみて、それでダメなら諦めようと思います。」という質問です。実はこの質問は男女問わず同じような内容で多数届いたものを集約したものです。


千田その分野のグレーゾーンの白と黒がどこまで見えるかだね。


緑川:グレーゾーン…ですか?


千田:そう。あらゆる分野にはグレーゾーンが存在するんだよ。

株だろうが、不動産投資だろうが、コンサルだろうが、スポーツだろうが、作家だろうが、プロとしてやっていくことを目指すなら、すべての分野においてね。

それでその他大勢の凡人にはグレーゾーンは死ぬまでグレーゾーンのまま。

いや、あの世に逝ってもグレーゾーンのままかな(笑)

俺が今関わっている出版業界も同じで出版社の社員にとって一番大切なのは「目利き」なんだ。文章力や読解力じゃない。文章力や読解力なんてその辺のライターにアウトソースすれば安い賃金で済ませられる。だけど「この著者はいずれ世に出る」という「目利き」だけはどうにもならない。まあそれすらアウトソースしちゃうダボハゼ出版社が増えてきたからこそこの出版不況に繋がっているんだけどね。それだけが理由じゃないにせよ、そういった原因自分論で考えられる能力は不可欠。「目利き」ができれば他の情報メディアに負けることはないし、他の情報メディアに支配される側ではなくて支配する側に回れるわけだから。無能のくせに支配する側に回ろうとすると安い印税で後出しじゃんけんをしたり、チンピラみたいに威嚇したりしなきゃいけないからますます嫌われる。

で、目利きできない連中は「成功なんて所詮は運だ」と卑しい顔した負け犬の遠吠え人生で終了。

ずっと好きなことで成功して食べていけるプロは白黒ハッキリと目利きできる。

ミツバチがア・プリオリに自分たちの女王を目利きできるのと同じ。

それだけのことだよ。


緑川:なるほど!全宇宙でこれ以上シンプルかつ深い答えはございません。

いつもながら痺れます。


千田:それでさ、そのグレーゾーンをちゃんと白と黒に目利きできる分野がその人の才能ということになるわけ。

最初にお断りしておくと、神様じゃないんだから完璧は無理だよ。

でも競技参加者の中でどれだけ白黒が洞察できているかで決まるのは間違いない。

グレーゾーンの白黒の目利きできない分野とは関わっちゃいけない。

そこは踏ん張るところじゃなくて、寿命の無駄遣いだから。

どうして自分が売れないのかなんて一生わからないし、仮に誰かに教えてもらってもスポットでしか矯正できないから続かない。

それにそういうコンサル的なヤツにアイデアを仰ぐと膨大なフィーを請求される。

授業料とか称してボッタくられてサヨナラ。ポイ捨て。

センセイたちもその辺りはよく理解していて、才能がなくて一生報われない連中から“夢”という人参をぶら下げて、一生授業料を毟り取ってやろうと思っているわけ。

そのセンセイご自身が才能不足で第一線でやっていけなかったからこそ、教える側に回って食い繋いでいるんだから。まあそれも才能と言えば才能だけど(笑)

だから多くの場合は関係が続かない。

やっぱり自分で目利きして、自分で主導権を握って、自分で決断して、自分が好きなようにやっていくのが一番。


緑川:それ、痛いほどよくわかります!

自分で目利きができなければ主導権も握れませんし、好きなようにやれませんよね。

好きなように主導権握れないって、もの凄くストレス溜まる生き方なんです。


千田:おっと、非常にリアリティ溢れるコメントだなぁ…

音声じゃないのがもったいない(笑)

音声だと今の緑川さんの感情が非常によく伝わるんだけどな。

緑川さんも仕事や人生でストレスが溜まっているんだね。


緑川:はい、溜まっています。

千田さんに隠し事をしても仕方ありませんから正直に告白します。

でもこうして千田さんとたまに話をさせてもらいながら心を軽くして、確実に人生を拓いています。

本当にこのインタビュー企画は私の心の支えなんです。

たとえば現在10代や20代の人たちに向けて、受験や就職でグレーゾーンの白黒の目利きってありますか?

できれば一般のサラリーマンや公務員コースといった多数派の人たちに向けてお願いしたいんですが…その、特殊な業界とかの例ではなくて…

あくまでも“一般的に”どの大学までに入っておけば人生が変わるとか、そこからどんな職業がおススメだとかがみなさんお好きなようで、いつも大きな反響があります。「学歴」「地位」「お金」「セックス」という人間の本質に迫るキーワードはいつもアクセス数が跳ね上がりますね(笑)


千田:じゃあ、昔ながらの平凡な母親が喜びそうなコースを歩む場合を想定しようか。Fラン軍団でも理解できるように、可能な限りわかりやすく、具体例を挙げながら丁寧に説明するよ。

サラリーマンや公務員といった無難な既成のエリートコースを歩む場合はまず受験は大学の選び方を間違えるべきではないね。商売上の理由で予備校がでっち上げた私立文系の偏差値操作も洞察できないといけない。でっち上げすぎて経営を逼迫させた元大手予備校もあるし(笑)三流雑誌や三流予備校で東大と早慶が同じくらいの偏差値で並んでいたら、私立文系はすべて-10、私立理系は-5してやるとちょうどいい塩梅。SFCみたいな英語1科目入試組は-20くらい(笑)まあそんな真実を公開した雑誌を作ってもB層が怒っちゃうから売れないけど。

偏差値や難易度表は必ず、「1次試験(センター試験)の有無」「2次記述試験の入試科目数」「文系なら数学必須か選択か、あるいは“なし”か」「理系なら理科何科目必須か、2次記述試験の国語の有無」「合格者数に対する実際の入学者数の比率」は見ないと、そもそも同じ土俵で比較対象にすらならない。

もちろん東大に入れればそれに越したことはないけれど、現実にはそれは難しい上にコスパが悪い。

中卒や高卒やFラン卒の芸能人が「東大以外はみんな一緒だ」とか恥ずかしげもなく口にしたり、本に書いちゃったりするのが昔流行ったけど、いかにも芸がないというか品もなくて無知蒙昧でこっちが恥ずかしくなっちゃう。先祖代々、真正のバカだなと。無い知恵を絞って京都大学と自分を同列に並べようとして心臓の鼓動を整えているんだね。

そこで現実的にビシッと白黒つけると、日本人としての分水嶺は【北海道大学・経済学部】にあることがわかる。何の解説もなく一瞬でこれが目利きできるのが才能。念を押しておくけど、お笑い芸人やスポーツ選手で大成するコースではなく、あくまでも無難で退屈な既成のエリートコースを歩みたければの話、ね。

そろそろ心臓の鼓動が高ぶってきた人も登場しそうだけど、そこを忘れないでもらいたい(笑)

これまで語られることのなかったこの世のタブーを、今から因数分解しながら解きほぐしていくとしよう。


緑川:はい、ぜひお願いします!ドキドキしてきました。


千田北大経済学部に入るためには地方の公立進学校、たとえば札幌南・仙台二・土浦一・水戸一・宇都宮・県千葉・県浦和・旭丘・北野・修猷館辺りで真ん中よりも上にいなければお話にならない。以上の高校に地元の公立中学から入るためには主要5教科オール5、学年一桁の成績を維持していたはずで近所では評判の秀才ばかり。海城・筑波大附・女子学院・浅野・東海・西大和・白陵・神戸女学院・愛光・広島学院・久留米大附設など名門中高一貫校だと校内偏差値48~52くらいの学力かな。ちょうどド真ん中。これは努力だけでは大衆には無理。完全に遺伝で決まる。あるいは筑駒や灘みたいな超進学校からでも北大経済学部水準に入学する生徒が毎年一定数いて、彼らは本当の学年ビリケツのすぐ上の層。校内順位では完全に最下位グループだけど、一般大衆から見れば生来の地頭の良さは何とかギリギリ保ったという感じだろうね。たとえば俺がこれまでに見た例だと、灘→東北大法・経済、筑駒→東北大教育、開成→名古屋大理、麻布→名古屋大教育、灘→大阪大基礎工、灘→神戸大経営なんてのがあって、こういうのは毎年数例存在し続けているよ。あまり大きな声では言えないけど、たいてい二浪以上していていずれも入学している。その種の超進学校から確か十浪で神戸大という人にも会ったことがあるな。29歳の時にある社長に紹介された人で、俺と同い年でこの春からめでたく神戸大文系に通うと言ってた。一応「おめでとう!」と言っておいたけど(笑)


緑川:十浪と聞くと一瞬「えー!?」と思いますが、現実問題として並のIQの人は何年浪人しても神戸大には入れませんからね。私の周囲でも多浪で最終的に医学科や一流大学に入った人たちが何人かいましたが、全員中学生までは目から鼻へ抜ける優等生ばかりでした。決して頭が悪いから多浪したわけじゃありませんね。


千田北大経済学部が知能的・遺伝的に無理だとか、自分は関東地方に住んでいる、もしくは住むと決めているのなら早慶の商学部でもいい。もちろんこの場合は私立文系専願にして絞りに絞ること。間違っても数学に手を出してはいけない。そんなことをやらかしたら受験勉強の量が一気に倍に増えるからね。凡人は広げると頭から漏れちゃうから絶対に広げちゃダメ。数学は授かっている人は楽しくてどんどん勉強がはかどるけれど、授かっていない人は時間だけが過ぎてあっという間に寿命が尽きちゃう。人類で誰も正直に言う人がいないから俺が言うけど、地方の平凡な公立中学でそこそこ勉強してるのに、数学の偏差値50前後をうろついている生徒が将来本気で北大文系の数学で合格点を超えようと思ったら、最低でも500年くらいかかると思う。

以上がエリートか否かの明確なライン。これ未満では建前はともかく本音としては絶対にエリートとして認められないけど、これ以上に乗っかっておけば既成のエリートコースの切符を獲得できる。圧倒的実力があればトップ・オブ・トップの官僚の世界でも東大生と張り合える資格を与えられるし、現にそうなっている。


緑川:500年ということは6回か7回は生まれ変わらないと無理ですよね(笑)当たってますよ。あと北大経済学部と早慶商学部の下に白黒のラインがあるんですね。それ、私も理解できます。

就活で国内一流名門企業に「幹部候補」として確実にエントリーできる学歴のラインですから。あと北海道大学の優秀さがそれなりに理解できるのは、ちゃんと大学受験を経験してきた本人かその家族のメンバーくらいですから、せいぜい国民の上位1割いるかどうかでしょうね。

確かIQも120を超えると成功との相関関係が薄まるという話を聞いたことがあります。頭脳の世界で勝負する場合、120程度のIQは必要ですがそれ以上は「あってもいいけど、なくても何も困らない」という感じでしょうか。北大経済学部や早慶商学部というのもそれと同じで、頭脳の世界で生きるボーダーラインなのかもしれませんね。

千田:スポーツの世界で言えば、十種競技で活躍する人はスポーツなら何をやらせても上手にこなすけど、だからと言って十種競技で1位じゃないといけないわけじゃない。野球やサッカーで超一流になるためには十種競技で1位にならなくても、せいぜい上位2%や3%に入っていれば基礎能力的には何も困らないでしょ?だからと言って十種競技で下半分では厳しい。頭脳の世界もそれと一緒。戦前や終戦間もない頃なら話は別だけど、今の時代どんなに僻地出身でも、多少貧しい家庭で育っても奨学金制度もあるし、真に地頭の良い人間が北大経済学部未満しか入れないということは考えられない。関東圏でも早慶商学部未満で人生を終えるとは到底思えない。

まあそう説明するのは面倒だし、理解できない人間は一生理解できないけどそういうこと。

北大に入るのと筑波大学や横浜国立大学に甘んじるのとでは人生は雲泥の差になる。筑波や横国で人生の大勝負の一線を超えられなかった残念な人たちが、大学院から東大にロンダリングして人生の化粧直しをするのもそれが理由。二流や三流の香りが漂う予備校講師とか学者、経営コンサルタントなんかが学部の学歴を隠して「東大大学院卒」しか掲載しないのはよくある話。人様に教える能力なんていうのはカンペがあって、ペラペラよくしゃべる小男なら誰でもできるからね。偉そうに教えている高校教師の大半は自分の担当教科でも東大入試に受からないよ。

それに大学院からのロンダ組は大学の学部入学組よりも頭のキレとコクが劣っていることが多いのは周知の事実。実は東大内のある施設の読み方を知っているかどうかで、学部から入学した真の東大生と他大学からのロンダ組を瞬時に見抜く方法がある。知らなかったり読み間違えたら偽東大生確定(笑)

たとえ関西でも大阪大学が知能的・遺伝的に無理で大阪市立大や大阪府立大で妥協するよりも、しっかりと北大に滑り込むべきだよ。既成の無難なエリートコースを歩みたければ、ここは断じて外すべきじゃない。

換言すれば筑波・横国・大阪市立・大阪府立というのは一番もったいない大学。

上智・ICUなんかも確固たる信念があるならともかく妥協して行くならダメダメだね。今から30年ほど前のバブル期は「早慶上智」なんて造語もあったけど、今はすっかりMARCHっぽくなってきて元に戻っちゃった。いや元に戻ったという表現は正確ではないな。それより昔はMARCH未満だったわけだし(笑)まあ株価より時代に遅れて教育業界も変動するということだね。

俺たちの頃は川崎医大・埼玉医大・独協医大の医学科は大手予備校の偏差値で40台だったし。包茎手術・整形手術・シミ取りホクロ取りをしている医者の出身大学によく見られる聖マリアンナも50前後を彷徨ってた。今ではでかい顔して医者やってるけど。今40代後半以上で患者にタメ口利いてきたり、やたら偉そうな態度を取ってマウンティングをかましてくる医者はたいていこの層だと相場は決まっているね。国公立大卒の医者はもちろんのこと、年増の看護師にすら見下されたりいじめられたりしたから、患者に対して涙ぐましい鬱憤を晴らしているんだよ。まさにザ・ブルーハーツのTRAIN-TRAINの歌詞に登場する「弱い者たちが夕暮れ、さらに弱い者を叩く」だね。最近急増中の私大Fラン卒の歯医者なんかにもその傾向があるね。元いじめられっ子軍団(笑)


緑川:確かに私の親や歳の離れた親戚からもそれはよく聞きました。その医科大学の前を通るたびに「ここはデキの悪い医者のご子息を、自分たちのお金で育てるために作った学校だ」と教わりました。同級生でもそういう大学に入った人たちは全然勉強ができなくて冴えなかったのに、何年も浪人してそういう大学に入っていました。「あれ?努力してもダメなタイプのあんな子がどうやって入ったの?」と陰で噂されていましたね。医者を諦めて歯医者になる人もいました。もちろん私立です。そういった子は例外なく家がお金持ちでしたね。


千田:それでも医者はどんなに偏差値が低くても医者を名乗れるからある意味“お得”だけど、それ以外の人は北大経済学部・早慶商学部未満だとせっかくいいところまで勉強を頑張ったのに、最後の一線を越えられなかったために評価されない典型的な“お買い損”大学。こういうセンスって人生すべてに響くから。格上の相手にすぐにマウンティングをかましちゃうとかで性格も歪んじゃう。

グレーゾーンの目利きができなかった結果だから、一生十字架を背負って生きないといけないわけ。

見せかけの偏差値だとか予備校の煽りやネットの評判なんて全部嘘だから、それらを洞察するのが人生で絶対に見誤ってはならない目利きなんだよ。

ちなみに最初から就活は眼中になくて学究コースを選ぶというのなら、北大の文学部・教育学部・理学部も素晴らしいよ。ただし水産学部は飛び抜けて低いから、どうしても運動部で七帝戦に出場したいという人以外はおススメしない。せっかく北大に入っても地元では中卒や高卒や短大卒の連中からも“函館水産大学”と揶揄されるからね。それで性格が歪んじゃう。北大に限らず旧帝大の文学部・教育学部・理学部出身者は研究者以外にも作家や翻訳家、予備校講師などの自由業を選べばそれはそれで希少性もあって光る。周囲に流されず自分独自の世界で生きている人が多い。

まあだからこそ文学部・教育学部・理学部は北大に限らず京大クラスでも学内では一般に就職悪いけど。

入学試験は普通に難しいのにね。我慢より好きなことを選んだ代償だな(笑)

早慶も商学部より文学部を選んだ人のほうが、世間体より自分の好きなことを選んだ人というアウトローのイメージがあって、分野によっては高く評価されるのと同じ。俺も早慶の文学部卒だと聞くと「お、やるな」って思う。


緑川:そういう話を聞くと、文学部も悪くないかもと思いますね。一流大学に入ったのは就職のためじゃなくて好きなことをやるためだっていうのは確かにカッコイイと思います。履歴書に「北大文学部卒」「北大教育学部卒」「北大理学部卒」という文字が目に入ると、経済学部や工学部にも入れたはずなのに「どうして?」と話を聞きたくなりますね。そういうのが魅力に繋がるんですね。いいですね、北大。あと私のOL時代に北大水産学部卒の上司がいましたが、確かにその人は性格がねちっこくて病的に歪んでいました(笑)「北大」の話をする時は声が大きくて上機嫌だったのに、「水産学部」の話題に触れるのはタブーでしたがその理由が今完璧にわかりました。医学科以外の医学部みたいですね。医学部で家庭教師を応募しておいて、蓋を開けたら看護学科みたいな。秒速で偏差値マイナス20で印象ガタ落ちですね。あるいはイケメン風のお見合い相手が「医学部卒」と猫騙しアピールしておきながら、よくよく話を聞いたら医学科以外で一族揃ってズッコケたり(笑)


千田:もちろん無理に北大を狙う必要はなく、東大に行けるのならぜひ行くべきだし、それが無理でも京大に滑り込めたら最高。そこから下は東北地方なら東北大、中部地方なら名古屋大、関西地方なら大阪大や神戸大、九州地方なら九州大がいい。あと関東には東大が無理でも一橋大と東工大という超一流の単科大学もあるし、その遥か彼方下に早慶もある。中には私立はどうしても嫌だという才媛もいるからお茶の水女子大という選択なんかもお洒落でいいね。この中で唯一努力が報われやすいのが早慶文系。早慶の文系って本当に素晴らしい敗者復活システムだよ。愛情をたっぷり込めて真実を伝えると、早慶文系の「一般入試」合格も凡人は努力だけじゃ不可能だけどね。地頭が悪い人は家族で団結して何とか小学校受験で滑り込むか、遺伝的に高いIQが求められる中学受験ではなく、少しでも努力が報われやすい高校受験で滑り込んだほうがいい。大学受験だとそれこそ気の遠くなるような根気と努力がないと早慶は文系ですら入れないから。あ、念のため私立の過半数を占める指定校推薦やAO入試は別ね。推薦やAOだと偏差値40未満でも平気で入れちゃうから。そういう連中と同列にされたくないから私立に嫌悪感を抱く優等生は年々増えている。俺が手伝っていた大企業の就活では早慶生は出身高校まできちんとチェックしていたからね。こんな話をしても理解できるのは経験者か水準以上のIQの持ち主だけだけど。

地方の旧帝大である大阪大学~北海道大学は世界的視野では大差なし。

北大卒のノーベル賞受賞者はいるけど阪大はまだ一人も輩出していないし、コネや裏ルートなどの要素も強い曖昧でいい加減な民間就職ではなく、ビシッと潔く左脳onlyで明確な序列をつけるこれまで文系の最高峰だと言われてきた(最近はそうでもなくなってきた)官僚への登竜門・国家総合職の過去合格者数累計も、阪大文系より北大文系のほうがかなり多いはずだよ。これは受験業界としてではなく学術的・歴史的になんだけど、旧七帝大の中で大阪大学の格式は最下位の名古屋大の次でブービー賞なんだ。明治に設立されたのが東京帝國大・京都帝國大・東北帝國大・九州帝國大でこれら4校は明治・大正の時点で世界と伍するエリート養成には社会科学や人文科学といった教養人が不可欠であることを洞察し文系学部も設置、大正には北海道帝國大がとりあえず理系だけでスタート、昭和初期の戦前でギリギリセーフだったのが大阪帝國大と名古屋帝國大で慌てて理系だけでスタート。より厳密には北海道帝國大と大阪帝國大の間に京城帝國大と台北帝國大が設立されたんだけどね。

一歩間違えれば大阪大と名古屋大は駅弁になっていた可能性もある。

旧七帝大卒業生の集まりで「学士会」という組織があるんだけど、各大学の総長が集合写真を撮影する際には「大阪大」「九州大」「京大」「東大」「東北大」「北海道大」「名古屋大」の順番なんだよ。東大が真ん中。東大を太政大臣とすれば京大は左大臣、東北大が右大臣、九州大が大納言、北海道大が中納言、大阪大が少納言、名古屋大が参議みたいな感じ。俺は会員じゃないし、参加したことは一度もないけどね。

こんなことを言うと、大阪ではたこ焼き屋の中卒のオッチャンから、「北大が阪大よりも上?アホちゃうか」と青筋立てて叱られそうだけどね(笑)

ちょっと北大をゴリ押ししているみたいだけど、それだけコスパがいいってことで。言うまでもなく大阪大学は素晴らしい一流名門大学。偏差値・難易度が少しでも高い学校として他地区からでもあえて大阪大学を目指すという生き方はあってもいいし、素晴らしいと思うよ。きっと今でも総合国立大学の中だと大阪大学は入試受験偏差値的なもので日本で3番目かそこらをキープしてるんじゃないの。


緑川:なるほど、なるほど。北大の魅力が十分に伝わってきました(笑)

千田さんがよく北大を推しているから調べてみたんですが、10年単位で遡って見ると徐々に人気が出てきていますね、北海道大学。大学側が受験制度の変更などをした募集テクニックによる影響もあるのでしょうが、偏差値がちょっとずつ上がってきているような気がします。特に3.11の震災以降にその傾向がありますね。

早慶も就職コースを選ぶなら商学部、就職よりも好きなことコースを選ぶなら文学部や教育学部ということでしょうか?


千田:「そうだよ」とでも言っておけば俺も楽なんだけど、最近受験生や受験生の親、塾・予備校関係者、東大生や医者の中にもこのインタビュー記事の熱心な読者が増えているみたいだから、より具体的かつ正確に言っておきたい。早稲田の教育学部の教員養成系の学科は文系理系とも概して北大の水産学部同様に残念だけど、教育学科と教育心理学科に限っては旧帝大の教育学部同様に教育学研究系だから格式が高い。教員養成系はそこにしか入れなかった妥協組が殺到するのに対して、教育学研究系には純粋に教育学を学びたい第一志望の受験生が集う傾向がある。教育学研究系は需要が極めて少ないから国は一流大学と認定した学校にしか設置していないんだけど、そこを目指すのは親が地元では有名な教育委員会のお偉いさんだとか、両親ともに教師の家庭で育ったとかいう受験生が多いね。入試難易度もそれに比例している。さすが一流の人材はその辺りのグレーゾーンの目利きを完璧にできているってわけ。それが一流の証。

あと慶應ならSFCの総合政策と環境情報はギリギリセーフだけど、さすがに看護情報学部はアウト。薬学部も出自が共立薬科大学だから一流じゃない。文系数学や理科は化学1科目だけで受けられるし、私立の唯一のウリである見かけの偏差値もどこか微妙でぎこちないはずだよ。実は出自が藤原工業大の慶應理工も昔は工学部だったし、旧帝大理系はもちろんのこと、早稲田理工にも大きく劣っていた。団塊世代の早稲田理工卒は100%の確率で「慶應工卒如きと一緒にするな」と思っているよ。それでも昔から慶應は商売上手で工学部から理工学部に学部名を変えることで早稲田に並ぶところまできた。理工は「利口」と聞こえて響きもいい。俺たち団塊ジュニア世代の頃には早稲田理工≧慶應理工くらいにはなってたと思う。文系も1科目入試や2科目入試+小論の超軽量入試作戦と、推薦枠とAO枠を激増させることで一般入試枠を減らして偏差値を高く見せることに見事成功した。国語を小論にするとそれだけで偏差値が2.5~5は確実にアップできる。合法的かつ合理的底上げブーツ戦略。これぞ最小限の実力で最高のパフォーマンスを演出する超一流の諭吉DNAだね。実際の慶應の華麗な実績は東大落ちの不本意入学組と付属から上がってきた一部の超秀才が作っている。ここまで露骨だとさすがにバレるし批判も多いけど、俺はビジネスとして高く評価している。

それを言うなら大阪大学も外国語学部は出自が大阪外語大だから一流じゃないけど。外語大は一般に英語一科目入試とか超軽量入試だから見かけの偏差値よりも遥かに格式が低い。実は大阪大学文学部も2次で数学必須じゃないから実質より見かけの偏差値が2.5ポイント~5ポイントは高く算出されるだろうね。その分国語の難易度の突出ぶりが際立つけどそれは他の受験生にとっても一緒だからね。地頭悪目の人は入試では文学部に入っておいて途中で他学部に転部するという手もある。数学が不出来で入り口ではとりあえず文学部に入っておいて、就活に強い経済学部に転部するとか。外国語学部はあと20年くらいは従業員3,000人以上で由緒正しい東証一部上場企業の就活だと「ああ、あの元・大阪外大ね。軽量入試で偏差値を高く見せかけている…」と評価されることが多いと思うし、それでいい。

こうした話をちゃんと正確に理解できるのは最低でも早慶中位学部以上に「一般入試」で入れる頭の持ち主だけだけど。多くの人にとってはよくわからないし、わかりたくもないだろう。現実を直視するのは辛いからね。

こういう目利きができるか否かが、学歴社会の裏メニューってこと。目利きができないとせっかく苦労して横国・筑波・大阪市立・大阪府立・上智・ICUに入ったのに駅弁MARCH関関同立と同じ扱いをされたり、最悪の場合にはFランで4年間にわたって膨大な罰金を払わされるってわけ。以上を踏まえてさえおけば、支配される側に回らずに、自分の立ち位置や人生戦略が浮き彫りになってくるでしょ?人生はグレーゾーンを目利きするゲームなんだ。

従業員3,000人以上の本物の東証一部上場企業の出世競争で奇跡的に生き残ったとして、社長の学歴が北大経済学部や早慶商学部以上だと「さすが!」「美しい!」「納得!」と思われて、それら未満だと「残念!」「ありゃりゃ…」「大丈夫か?」と心の中で思われるのが世の常。既成のエリートコースを歩み続ける限り、絶対に尊敬されない。

このコースでは地位や収入よりも学歴のほうが価値は上なんだ。低学歴のまま大臣になろうが大富豪になろうが、高学歴ニートの足元にも及ばない。もちろんエリートコースの参加者たちはみんな賢いから、そんなのおくびにも出さないけどね。場合によっては命よりも価値の高い学歴をきっちりと自分は獲得した上で、我が子を除いては棺桶まで「世の中学歴さえあればあとは何とでもなる」「他がどれだけ成功しても学歴がダサければすべて無意味」という本音を口外しない。でもエリートたちは例外なく目配せで巧妙に相手の格式を判定し、それが覆ることはないんだよ。学歴は死ぬまでついてくるどころか、学歴はあの世でも永遠についてくるよ。まさに永劫回帰。これ、とてもタダで聴けるような話じゃないぜ。

さて、話題を変えようか。そろそろ読者の心臓の鼓動を整えないと血圧が上がって健康にも悪影響を及ぼすし(笑)


緑川:今千田さんの仰られたことはすべて真実ですね。

水準以上の人たちというのはこういう真実を知っていて、それを基に行動していることがよく理解できました。

水準未満の人はこういう話をするとすぐに興奮するし、そもそも最初から理解する能力を授かっていないのかもしれません。


千田:だからどんな分野でもそうなんだけど、グレーゾーンの目利きができればあとが楽なんだよ。グレーゾーンの目利きができないと方位磁針なしで大海のど真ん中だとか樹海を彷徨うのと同じ。スポーツでも音楽でも絵画でも一流の人間はグレーゾーンの目利きができている。そしてこれは努力では克服できないし、たとえ一時的に克服できてもすぐに元に戻っちゃう。そのために生まれてきたわけじゃないから。


緑川:わかるなぁ~、わかります。人って、そのために生まれてきたのかどうかをいつ受容するか、いつ見つけるのかで人生は大きく左右されますよね。


千田世阿弥という斯道の名人がいたんだけど、彼は為手が第一声を発するタイミングは、二つとないと言っているんだよ。今その瞬間を逃したら、はい、ゲームオーバーだと。そのタイミングのことを時節感当と言うんだけど、これはどんなに訓練を積んでも永遠に習得できないと彼は断言している。すべては勘だから努力じゃ無理だよって教えてくれている。ここには一流ならではの愛をベースとした厳しさがある。


緑川:とても深いですね。時節感当というのは歌舞伎や演劇、お笑い芸人の世界にも通じるような気がします。模範解答のある勉強とは違い、刻一刻と正解が変わりますから。


千田:そう考えると、才能って大事でしょ?才能の存在を頭から否定して「努力すれば夢は必ず叶うんだ!」なんて叫んでいるのは100%ペテン師だということがわかるはず。

これは換言すれば自分がグレーゾーンを目利きができる分野を探し当てれば人生は勝ちだってこと。それを見つけるために人はこの世に生まれ、生きていくんだよ。

答えを言っちゃうけど、見つけたら勝手に頑張れるから。体が勝手に動いちゃうもん。


緑川:今回のインタビュー記事は学識が高くて教養溢れる水準以上の人にとっては「神回」になりそうです。それ未満の人には「悪魔回」かもしれませんが(笑)千田さんが仰ると、説得力抜群ですね。そのためには古今東西の先人の知恵に触れるために本を読んだり、実際に成功されている人の話を聞いたりして勉強するしかないってことですね。


千田:そういうことですね(笑)



「え!?こんなことみんなできると思っていた」が、あなたの才能。



◆合わせて読みたい千田本

◆千田琢哉(せんだ・たくや) 著者ページ→162 冊出版(2019年8 月現在)

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◆千田琢哉(せんだ・たくや) プロフィール

文筆家。
愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。
東北大学教育学部教育学科卒。
日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。
コンサルティング会社では多くの業種業界におけるプロジェクトリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。
のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって得た事実とそこで培った知恵を活かし、“タブーへの挑戦で、次代を創る”を自らのミッションとして執筆活動を行っている。
現在までの著書累計は320万部を超える(2019年8月現在)。


◆緑川夕子(みどりかわ・ゆうこ)  プロフィール

「真夜中の雑談」運営部 スタッフ


◆千田琢哉レポート

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